お知らせ・講演会情報
第2回不妊治療保険適用研究会 アンケート結果について
事前募集質問として大半を占めたものは、
①保険診療になるまで行われていた慣習的な検査・治療で、現在は保険診療に位置付けられていないものの対応
②年齢制限や胚移植の回数制限に付随するもの
でした。
①に対して、自費でおこなったPGT-Aは同じ保険診療での採卵、自費診療での採卵を併用して行うことは許可されているが、そのほかに関しては、基本は混合診療とみなされるリスクがあります。160円ルールを検討されるのはいいのですが、適応から逸脱しすぎた処方は避けられるべきです。
慢性子宮内膜炎の検査を自費でおこなうことなどは現在認められていません。子宮内細菌叢検査で抗生剤の指定があった場合は、病名がないため、詳記をふくめた処方した根拠を示している施設があることがわかりました。自費診療でのTESEをおこなった精子を、保険診療で使用することは現段階では許可されないのではないかというのが多くの意見を占めました。
②保険でおこなった凍結胚は1年間の管理料が含まれています。不妊治療が継続した状態での胚移送の場合は送り手側・受け手側で一定の見解を交わし、保険診療内で対応していくことが好ましいと判断します。しかし、胚移送に伴う移送代金などは別途生じるのは仕方がないと判断されるかと思います。
貯胚に関しては原則禁止されていませんが、胚移植できない理由がある場合、移植しようと思う胚数が足りない場合などに許容されると考えるのが一般的で、あくまで、残っている保険診療で移植できる回数で戻すことが可能な胚数までに限ったものであると考えられます。
超音波回数やホルモン採血回数などは各厚生局により許可される回数が異なることがあるため、現段階で一定の方向性を出すことは難しいと判断します。
また、厚生労働省のホームページに記載されている不妊治療の保険適用に関する資料や疑義解釈資料は複数解釈をとり得る記載が多く見られます。
令和6年度改定において、解釈に相違が生じないような文章として見解を出してもらえるように当研究会からも要望を出していく所存です。
代表世話人 杉山力一